井口貴夫 ~ 「涼」ゆらゆら風が通る~|7月のまちかどアートギャラリー
沼津さんさん通り沿い、吉野エージェンシー「まちかどアートギャラリー」では、7月の展示として「井口貴夫 『涼』ゆらゆら風が通る」を開催しております。
本格的な夏を迎えるこの季節、井口さんが手がけられた、涼やかな風を感じるような心地よいアート空間が誕生しました。
街角に爽やかな景色を届けるウィンドウ展示
さんさん通りに面した大きなガラス窓には、ウインドウいっぱいに大作が展示されています。自然光を受けて浮かび上がる色彩や模様が、外を歩く方々の目にも爽やかな景色を届けてくれます。通りすがりにふと足を止めて、ガラス越しに広がるアートを気軽にお楽しみいただけます。
ゆらゆらと風を感じる立体的な空間
ギャラリー内に入ると、天井からふわりと吊るされたダイナミックな展示が目を引きます。柔らかな曲線を描いて空間を渡る様子は、まさに今回のテーマである「ゆらゆら風が通る」心地よさを体現しているかのようです。大きな壁面鏡に青を基調とした井口さんの作品が映り込むことで空間にいっそうの広がりが生まれ、涼やかで開放的な特別な展示空間となっております。
アートが生まれる舞台裏
まちかどアートギャラリーに作品が並ぶまでの設営は、まさにアートの魔法が生まれる瞬間です。
アーティストと私たちスタッフが、一点一点の作品を大切に運び込み、それぞれの魅力が最大限に輝くように丁寧に配置していきます。空間と作品が心地よく響き合うよう、細やかな調整を重ねながら、ひとつずつギャラリーを作り上げていくんです。
この準備のひとときを経て、作り手の想いが息づく、特別な空間が完成します。
暑い日々が続きますが、ぜひ沼津のまちかどで、アートが織りなす「涼」を感じるひとときをお楽しみください。
こちら側/向こう側
私たちの身の回りには、至る所に「境界」が存在します。地図上に引かれた線から、そびえ立つコンクリートの壁や有刺鉄線、あるいは現世と来世を隔てる三途の川に至るまで、その形は様々です。容易に越えられるものもあれば、一度越えてしまえば二度と戻れないものもあります。境界によって分けられた二つの世界は、心理的あるいは物理的に隔てられ、その度合いの大小にかかわらず、明確な仕切りが生まれます。
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この作品は昨年の夏にもここで展示されましたが、涼しげな雰囲気を醸し出すことから、再び展示する機会をいただきました。
不織布を支持体とし、アクリル絵具などを用いて制作した作品です。薄く半透明な素材であるため、展示の仕方によって表情が変わり、わずかな風にも優しく揺れ動きます。
「こちら側」と「向こう側」を区別する役割を果たしつつも、絶対的な障壁となるわけではなく、柔らかな仕切りとして機能します。空気が通り抜けるとき、二つの世界はつながり合います。あらゆる境界が、このように柔らかいものであってほしいと願っています。
THIS SIDE/THE OTHER SIDE
Boundaries exist all around us. They take many forms—from lines drawn on a map to towering concrete walls and barbed wire, or even the Sanzu River that separates this world from the next. Some can be crossed with ease, while others, once crossed, allow for no return. The two worlds they divide are separated—psychologically or physically—creating a distinct partition, however great or small the degree of separation may be.
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I have been asked to display this piece again—which was also exhibited here last summer—because it evokes a sense of coolness.
The work was created using acrylic paint and other materials on nonwoven fabric. Because the material is thin and translucent, its appearance shifts depending on how it is displayed, and it sways gently even in a light breeze.
While it serves to distinguish between “this side” and “the other side,” it does not create an absolute barrier; it acts as a soft partition. When the air flows through, the two sides are connected. I would love for all boundaries to be soft like this.
井口貴夫氏プロフィール
1959年静岡県沼津市生まれ。
1982年武蔵野美術大学造形学部油絵学科卒業。
【個展】1987年~1998年ギャラリーQ .+1/東京。2000年ギャラリーSOLなど。その後2020年まで発表活動を休止
⚫︎2020年12月DHARMA沼津(旧耕文社本社工場)から作家活動を再開し、21年三島信用金庫長泉支店さんしんギャラリー、みしまプラザホテル・ギャラリープラザ、22年ギャラリーARATA(富士宮)、23年芹沢光治良記念館ギャラリー(沼津)、ギャラリー時代屋富士山(富士)、24年沼津コート(ららぽーと沼津)、25年ボタニカ・アートスペース(静岡) 、ツインギャラリー蔵(浜松)など。
【グループ展・イベント】
⚫︎2021~2025年11月「原泉アートデイズ」、1月・6月の「ART CAMP」(掛川)参加。神社、ツリーハウス、森林公園、プール等にインスタレーション作品を展示。
⚫︎2024年8月「日本×バリ文化協働プロジェクト」に参加し、約1ヶ月現地滞在して、作品の制作・展示とバリ在住の作家と親善交流。(インドネシアバリ州ウブドARMA美術館)
【その他】
⚫︎1994年 天理ビエンナーレ’94 第14回天展 奨励賞/大阪市立美術館
⚫︎1995年 アクリラートスカラシップ奨学生/ホルベイン
⚫︎1996年 天理ビエンナーレ’96 第16回天展 準大賞/大阪市立美術館
⚫︎2022年4月~6月BankART AIR 2022 SPRING BankART Station (横浜)に参加 ※市営地下鉄新高島駅構内のスペースで滞在制作。
まちかどアートギャラリー 基本情報
会場:吉野エージェンシー(保険カンパニー)沼津店
住所:静岡県沼津市大手町3-9-21 ウィスティリア大手町 1階
アクセス:沼津駅南口より徒歩5分/さんさん通り沿い・沼津駅前通り沿い(路面展示)
展示期間:2026年7月
開館:24時間いつでも鑑賞可能(屋外常設・観覧無料)
まちかどアートギャラリーアーカイブ
沼津未来クリエイティブ 写真展「沼津の肖像」 11月まちかどアートギャラリー


